2023年12月31日日曜日

「棘さえも」

コリント人への手紙第二 12章 7~10節
2023年 12月 31日 第5聖日
牧師 長江 忠司

 パウロは肉体のとげを去らせてくださるように3度祈りましたが、その祈りは聞かれませんでした。しかし、そのとげがあるゆえの祝福を彼は喜びました。どのような祝福があるのでしょうか。
 第一に、人を謙遜にさせます。私たちは高慢になりやすい性質があり、自分の力で解決することはできません。しかし、様々なとげによって、心が砕かれて謙遜にさせられます。
 第二に、心から神に頼る者になります。物事が順調に進んでいる時は、自分の知恵と力に頼り歩んでしまいがちです。でも、とげがあり、自分の思い通りに事が進まない時に、神を見上げ、心から神に頼るようになるのです。そして信仰が強められていきます。
 第三に、弱さの中で神によって強められます。とげがあるという事は、神の恵みが不足しているということではありません。神の恵みは十分なのです。私たちが弱い時にこそキリストの力が私たちの弱さを覆い、結果的に力ある歩みをすることができるのです。
 この世的に良いことがあった時に神に感謝するでしょう。しかし私たちはとげさえも神に感謝することができるのです。

<聖書のことば>
ですから私は、キリストのゆえに、弱さ、侮辱、苦悩、迫害、困難を喜んでいます。というのは、私が弱いときにこそ、私は強いからです。
コリント人への手紙第二 12章 10節

2023年12月24日日曜日

「クリスマスの喜び~神が私たちと共に」

マタイの福音書 1章 18~25節
2023年 12月 24日 第4聖日
牧師 長江 忠司

 天使たちは羊飼いたちに大きな喜びを告げ知らせました。どういう点で大きな喜びなのでしょうか。
 第一に、神が私たちのところに来てくださったことです。私たちを救うために、神が御国からこの地上に、人となって来てくださいました。これがどれだけ凄いことなのかを覚えましょう。そのお恵みを知る時に、大きな喜びが与えられます。
 第二に。身代わりに死ぬ真の愛を示してくださったことです。イエス様がお越しくださったのは、私たちの身代わりに十字架で死ぬためでした。それ程に私たちを愛してくださっています。その真の愛を受ける時に、大きな喜びが湧いてきます。
 第三に、神がいつも共にいてくださることです。神は遠く離れた所におられるのではなく、私たちのところに来られ、そして信じた私たちと今共にいてくださいます。その事実を覚える時に、大きな喜びと平安があります。
 私たちは何に対して、どんな喜びを求めているでしょうか。誤ったものに変わりやすい喜びを求めることがないようにしましょう。変わることのない大きな喜びを神からいただいて歩みましょう。

<聖書のことば>
「見よ、処女が身ごもっている。そして男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」それは、訳すと「神が私たちとともにおられる」という意味である。
マタイの福音書 1章 23節

2023年12月17日日曜日

「沈黙の中で」

ルカの福音書 1章 5~22節
2023年 12月 17日 第3聖日
牧師 長江 忠司

 ザカリヤは御使いから子が与えられると告げられましたが、信じることができませんでした。その結果、神は彼が話すことができないようにされました。その沈黙の中で、主は何を彼に教えようとされたのでしょうか。
 第一に、神のみことばは真実であることです。彼らは祈っていたものの、既に年を取っており、子を産むことのできない体になっていましたが、言われたとおり子を与えられました。神はみことばを成就されたのです。
 第二に、神の最善の時があることです。彼は神が許される時まで話すことができませんでした。神の時を待たなければならなかったのです。私たちにも自分の時に固執せずに、神の最善の時があることを覚えましょう。
 第三に、不信仰を悔い改めることです。彼は神に仕える祭司でありながら、みことばを素直に受け入れ信じることができませんでした。しっかり神と向き合っていなかったのです。不信仰を改めるように導かれたのです。
 私たちも主にある沈黙の時が必要です。クリスマスを前にして、神の前に静まりましょう。沈黙の時をいただき、思い巡らし、主の前を正しく歩みましょう。

<聖書のことば>
やがて彼は出て来たが、彼らに話をすることができなかった。それで、彼が神殿で幻を見たことが分かった。ザカリヤは彼らに合図をするだけで、口がきけないままであった。
ルカの福音書 1章 22節

2023年12月10日日曜日

「主の平安があるように」

ペテロの手紙第一 5章 13~14節
2023年12月10日 第2聖日
牧師 長江 忠司

 先週はペテロの手紙の結論部分から学びました。本日がこのシリーズの最終回となります。
 第一に、離れている兄姉のために祈ることです。ローマの教会にいたクリスチャンたちはこの手紙の読者たちのことを覚えて、よく祈っていたのでしょう。私たちも距離が離れていても、救われていない方や離れている兄姉のために祈る必要があります。
 第二に、主の愛をもって育てることです。ここでかつて働きから離脱してしまったマルコの名前が出て来ます。しかしバルナバと歩む中で変えられ、成長し、主に豊かに用いられる者となりました。私たちもバルナバのように、主の愛をもって人を育てる者となれたら幸いです。
 第三に、主の平安があるように祈ることです。物質的に富んでいても、心に安らぎのない人は多いのです。大切なのは主にある平安を得ることです。
 たとえ距離が離れていても、魂のことを思いやりましょう。そして自分自身のためにも相手のためにも、主の平安があるように祈りましょう。

<聖書のことば>
愛の口づけをもって互いにあいさつを交わしなさい。キリストにあるあなたがたすべての者に、平安がありますように。
ペテロの手紙第一 5章 14節

2023年12月3日日曜日

「恵みの中に立つ」

ペテロの手紙第一 5章 12節
2023年12月3日 第1聖日
牧師 長江 忠司

 ペテロの手紙第一の終わりの部分であり、大切なことが記されています。私たちの信仰生涯に必要なことを学びましょう。
 第一に、協力者が必要であることです。シルワノがパウロに代わりこの手紙を書き留めました。シルワノは複数の箇所に出て来る、主に用いられた人物でした。ペテロもパウロも、彼の協力によって助けられました。人は単独で働きをするのではなくて協力者が必要です。そして私たちが誰かの協力者として仕えることが大切であることを覚えましょう。
 第二に、恵みの中にしっかり立つことです。ペテロは神の恵みに簡潔に記しました。それは神の恵みがあまりに豊かですべてを書き記すことができなかったからです。私たちは過去と現在において恵みをいただきました。そしてこれからも神は恵みを与え続けてくださいます。その恵みを覚え意識して歩むことが大切です。それが恵みの中に立つということなのです。
 私たちの人生にも苦難の中で、問題だけに目を奪われてしまいそうになります。ですから、いつも神の恵みの中にしっかりと立って歩みましょう。

<聖書のことば>
忠実な兄弟として私が信頼しているシルワノによって、私は簡潔に書き送り、勧めをし、これが神のまことの恵みであることを証ししました。この恵みの中にしっかりと立っていなさい。
ペテロの手紙第一 5章 12節